救える命・つながる命のために私たちができることがあります
ある日突然、愛する家族・大切な人を失う・・・これは特別なことではなく、誰でも起こり得ることです。
2012年。静岡県浜松市で開催された「全国救急隊員シンポジウム」で福井県で活動しているNPO法人「命のバトン」代表理事の川崎様の講演を聴講し「思うだけ、理想を語るだけ、聞いて待つだけ」ではなく、浜松で「今私にもできること」を自分なりに考え、その一つに「救命講習」があると思いました。
家族・友人・地域の方等、私たちは常に周りの人たちによって守られ、支えられている自分の命、その自分の命を大切に思う事は、様々な命を大切に思うことに繋がると思います。
実際、「倒れてる人がいても何をしていいか分からない」「自分たちの周りではそんなことは起こらないだろう」「救急車が来るまで倒れてる人に触れてはいけない・勝手に動かしてはいけない」「講習会、すごく大事だね、必要なことだねと言いながら受講に至らないこと」「AEDだけ知っていても救えない命があること」や倒れている人になかなか手を差し伸べることができないという現状も知りました。
でも、一般の方は、救命や応急手当とはかけ離れた生活をしているのでそれが当たり前だと思いますが、応急手当を必要とする時は何の前触れもなく突然訪れる事、心肺蘇生法やAED・止血等の応急手当は、医療従事者でなくても誰でもできること、何もしなければ助かる命が助からない、なぜそれを知る必要があるのか?そんな意識を少しでも身近なものとして、何も知らないより少しでも知っていれば、助かる・助けられる・その先に繋がる命があること、そういった話しを聞いたり体験できる機会が一つでも多く設けられれば、より多くの方に伝わっていくと思います。
浜松市内の中学校では、浜松市医師会・教育委員会・消防局の皆さまが長年にわたり「心肺蘇生法講座」を続けられていて、中学生に心肺蘇生法を知ってほしいという想いが今も受け継がれています。
「成人の心肺蘇生法を知る機会は比較的多いけど、子どもの心肺蘇生法を知る機会がほとんどない・少ない」そんな声も多く聞く中、子どもの事故予防や心肺蘇生法、子どもの感染症や予防接種・抗菌薬の正しい知識の普及に携わる小児科医との出会いをきっかけに、予防から繋がる応急手当の大切さも知りました。
私たち、命のバトン浜松は、心肺蘇生法やAED、けが・病気の応急手当、子どもの事故予防をはじめとする子どもに特化した内容の各種講習会の開催、普及啓発活動、情報発信などを通じて、目の前の命を救う・繋ぐための知識と手技、思いやりの心を持った実行力のある救命のリレーの第一走者(バイスタンダー)が1人でも増える社会の実現を目指し、そう願う仲間とともに2012年3月に発足しました。